白神山地年表

ブナ関連ですが唐突に飛びます。
年表を示さなければとずっと思っていて、写真の在庫も少なくなり掲載です。(そんな理由か)
白神の歴史の一端でも感じて頂ければ。もしくは興味を持って頂ければ。



ー森の国 日本ー
白神山地
年表
1945.03.22  赤石川上流大然(おおじかり)地区を大水害が襲う、八十七人死亡
1951     赤石ダム完成
1960     岩木川に目屋ダム完成
1972     旧弘西林道開通(現白神ライン)
1978.12.06  青秋林道開設促進期成同盟会発足
1981.04.02  青秋林道の路線採択決定
1982.04   林野庁青秋林道の実施計画承認
05.19  秋田県側 「秋田自然を守る友の会」(鎌田孝一会長)青秋林道建設中止の要望書
        秋田県庁に提出。鎌田氏は林務部からルート変更の打診を受ける
07.19  青森県側 「青森県自然保護の会」「日本野鳥の会弘前支部」 青秋林道建設中止の
        要望書青森県庁に提出
08.01  青秋林道秋田県工事着工
08.12  青秋林道青森県工事着工
1983.04.02  「青秋林道に反対する連絡協議会」青森市で結成。会長に奈良典明氏
10.08  赤石川源流、櫛石山付近のブナ林でクマゲラの生息確認(藤井氏は北海道クマゲラ
        と本州クマゲラを分けるべきとし、本州生息の種を本州 クマゲラと呼んでいる)
1985.06.06  秋田県が藤里ルートを鯵ヶ沢ルートに変更し県議会農林水産委員会で報告
06.15-16秋田市で日本自然保護協会主催のブナ・シンポジウムが開催
06.27  秋田県林務部の職員が青森市を訪れ、青森県自然保護課と青秋林道に反対する連絡
        協議会に藤里ルートから鯵ヶ沢ルートへの変更を説明する
10.18-21 日弁連の調査団が白神山地視察
1986.03.12  1985年6月25日付で「白神山地のブナ原生林を守る会」(西岡光子会長)から、
        秋田県議会議長宛に提出されていた「青秋林道工事の即 時凍結について」の陳情書
        取り下げる秋田側の自然保護団体は藤里ルート回避により事実上の反対運動終結と
        なる。
   04.05  白神山地の自然を守る会代表 根深誠氏 林野庁長官に公開質問状送る
   05.26  日本自然保護協会が環境、林野庁に対し青秋林道を中止し白神山地をユネスコの
        MAB計画に基ずく生物圏保護区として指定するよう申し入れる
   08.22  林野庁は白神山地森林施業調査報告所を発表し青秋林道沿いのブナは伐採しないが
        道路建設の方針は堅持
   10.09  青森営林局がクマゲラ生息地に近い奥赤石川林道周辺のブナ林伐採を五年間凍結す
        る方針を打ち出す
1987.03.29  青秋林道に反対する連絡協議会が弘前市で「白神山地を語る会」開催
   06.08  青森県が赤石川源流の保安林(鯵ヶ沢ルート)解除に同意する意見書を青森営林局
        に提出西目屋村の問題がルート変更により鰺ヶ沢町の問題に主体が変わる
   09.05  青秋林道に反対する連絡協議会が鯵ヶ沢駅前でチラシ配布を始め保安林解除反対を
        訴える
   10.15  青森県が赤石川源流保安林解除の予定告示を行う
   10.19 「赤石川を考える会」主催 根深誠、菊地幸夫、村田孝嗣の三氏 於:鯵ケ沢町一
       ツ森地区 午後七時から、署名運動スタートこの時期から青秋林道建設が大きな転
       換期をむかえる。異議意見書の戦略は日本自然保護協会のアドバイスであり秋田側
       自然保護団体の提案ではない。
   11.05  午前 青秋林道建設反対の異議意見書 第一次集計約三五〇〇通を青森県庁工藤俊
        雄農林部長に提出代表三上希次会長、青森県側 三上正光氏(日本野鳥の会弘前支
        部)、江利山寛知氏(青秋林道に反対する連絡協議会会計担当)秋田県側 奥村清
        明氏(白神山地のブナ原生林を守る会事務局長)、高山泰彦氏(秋田県野鳥の会会
        長)代表五人
   11.06  北村正哉青森県知事、異議意見書提出を受けて青秋林道の見直し発言をし、これ
        を境に青秋林道問題は中止に向けて急激に流動化する知事として青森の利益を優先
        し、自然保護の観点での発言ではない。根深氏など青秋林道建設反対派が青森の核
        燃料サイクル基地建設に対する市民運動に関わっていなかったことも大きいと佐藤
        氏は指摘する。(北村知事の関心事は新幹線開通と核燃料サイクル基地建設であっ
        た)
   11.13  青秋林道建設反対する連絡協議会が異議意見書 第二次集計約九七〇〇通を青森県
        農林部に提出一万三二〇二の異議意見書の数は我が国の林政史上最大にして空前の
        数。当時の異議意見書は三例あるがいずれも140通以下。しかも、直接の利害関係
        の赤石川流域住民の数は有権者2692人に対し1024人とこれまた桁外れである。い
        まより、地方の公に対して反対を唱える難しさを考えれば一揆に近いものを感じ
        る。(政治家は票に敏感とは佐藤氏の指摘)
   11.20  青森県議会の常任委員会で与党の大半の議員が青秋林道の凍結を訴える
   11.27  自民党の議員総会で北村知事は再度青秋林道建設に消極発言をし事態収拾を政調
        会に一任
  12.01-02 自民党青森県連政調会(金入明義会長)が関係町村の首長、自然保護団体、住民
        代表から意見聴取を行う。秋田県八森町で現地調査、秋田県連政調会と意見交換
        し、この場で秋田側から「ルート変更も検討できる」の発言を引き出す
  12.07-09 青森県議会で白神山地の問題に質疑が集中「青秋林道は凍結」へと大勢が傾く
1988.02.08  青森県工藤俊雄農林部長と秋田県林務部幹部のと話しあいがもたれ秋田側も柔軟
姿勢に転じる
1989.08.28  青森営林局白神山地生態系保護地域設定委員会の初会合を開く
   08.31  秋田営林局白神山地生態系保護地域設定委員会の初会合を開く
1990.03.18  青森営林局が白神山地生態系保護地域の最終設定案を発表、入山禁止問題は灰色
        決着
   03.29  林野庁が白神山地生態系保護地域の最終設定案を承認、青秋林道建設中止
   05.09  秋田営林局が秋田県側の白神山地周辺市町村に対し白神核心地域への入山禁止の
        方針を伝える
   06.10  青秋林道建設反対する連絡協議会の解散会が弘前市で行われる。日本自然保護協
        会の沼田真会長が白神山地を世界遺産に推薦すると発表
1992.06.26  世界遺産条約批准を閣議決定
   06.30  世界遺産条約批准(受諾書をユネスコに提出)
1993.12.09  世界遺産委員会が白神山地の世界遺産登録を決定
   12.09  白神山地の県独自の管理計画について北村青森県知事は「全面立ち入り禁止には
        しない」との考えを示す。
1994.04.23  秋田県側の「白神山地のブナ原生林を守る会」と青森県側の「マタギの知恵に学
        ぶ会」が白神山地NGO会議発足の準備会を秋田県二ツ井町で開く
   05.01  青森営林局は白神山地奥赤石川林道について一般車両の通行を禁止し、林道起点
       にゲートを設置
   05.05 白神山地NGO会議が発足(鎌田孝一議長、後に白神NGOに改称)入山規制派
       顧問:牧田肇氏、議長:鎌田孝一氏、事務局長:土岐司、会計:若林宏美、成田
        久人、事務局:小関孝一青森県)、佐々木明美(秋田県)、会計:江利山寛知、
        監査:小堀英憲、理事:塚本清、工藤光治、川村 勝美、市川善吉、奥村清明、
        間山良治、三上正光、佐々木昇、監事:秋田豊提言の第一項に遺産地域への立ち
       入り禁止を明記するが、白神山地NGO会議は年五回の白神山地の自然観察会の参
        加者を有料で募集遺産地域内での沢歩きツアーが計画される。
   05.21  白神山地NGO会議が他団体名を無断で賛同団体名に使用していたことに対し、本
        州クマゲラ研究会(事務局:藤井忠志氏)は公開質問状を送付
   05.25  本州クマゲラ研究会は白神山地NGO会議に先の質問状の追加として世間に入山禁
        止を求めながら自らは有料ツアーを計画する意図を質問。
   06    白神山地NGO会議の鎌田議長から本州クマゲラ研究会に寄せられた回答が回答に
        なっていないため、東奥日報六月十八日付(明鏡)に投稿、これに対し回答らし
        きものが同明鏡に投稿されるが、本州クマゲラ研究会は回答の不誠実さに再投稿
  10.14-16 弘前大学牧田肇教授等赤石川でゴミ投棄状況を調査。デポ品(テント、山小屋等品
        物を置いておくこと、当然回収することが前提)とぼしき品物まで回収し東奥日
        報1994.10.25付夕刊に投稿
1995.05.21  弘前大学牧田肇教授が青森県側の白神山地について入山規制を盛り込んだ牧田私
        案を公表、混迷に拍車をかける。入山規制派白神山地NGO会議が白神NGOに改称
        白神入山問題の混迷を決定的にした牧田私案(未入手のため内容は確認できてい
        ない)
   06.21  小学校社会科教科書の青秋林道反対運動に関するねつ造記事について関係者から
        文部省に要望書を提出
   08.27  白神市民文化フォーラム(根深誠、村田孝嗣氏ら世話人五人)発足。入山規制反
        対派
1996.09.06  奥入瀬内水面漁協等が青森営林局に対して奥入瀬川上流の伐採禁止を求める
1997.03.09  世界遺産地域懇話会(秋田県側)白神山地の秋田側の核心地域について「原則入
        山禁止」を決定
   03.29  世界遺産地域懇話会(青森県側)白神山地の秋田側の核心地域について入山可能
        ルートを二十八区間(当初)提示
   06.30  世界遺産地域連絡会議が秋田県側「原則入山禁止」、青森県側「指定ルート(二
        十七区間)を設定した許可制入山」賭する入山方式を決定。翌日から実施。
   06    牧田教授は白神山地のゴミ調査を環境庁の委託調査というが、環境庁は依頼して
        いないといい、この件に対し鎌田氏は「白神NGOの横暴は気づいており、ちょう
        ど今、辞表を書いているところだ」と代表を辞任した
 11.12  白神市民文化フォーラム弘前市でシンポジウム「白神を未来へ」を開催
        入山禁止の口火を切った橋岡市は四月一日退官、牧田私案の牧田教授は「私は昔
        から立ち入り禁止反対だった」とすっとぼけ、巡視員の工藤光治氏はNHKビデオ
        収録の際ディレクターに私は入山禁止に反対であるといい、鎌田氏に至っては営
        林局は入山禁止というが、勝手に入ればいいと唖然とする発言が飛ぶ。『白神山
        地 立ち入り禁止で得をするのは誰だ』
1999.03.21  白神市民文化フォーラム弘前市でシンポジウムを開き白神山地の入山方式を許可
        制から届出制に変更する等提言を公表
2001.07.10  NHK プロジェクトX 白神山地・マタギの森の総力戦放送  鎌田孝一氏、秋田
        側中心の描き方は明らかな誤りプロジェクトX放送後抗議が寄せられる(未視聴)
2001.07.23  弘前市役所で記者会見し、NHKプロジェクトX 白神山地・マタギの森の総力
        戦に質問状を出すとともに謝罪と訂正を求める方針を明らかにした。会見した連
        絡協議会の村田孝嗣・元会長、根深誠・元副会長、菊池幸夫元幹事は青森側の運
        動を軽視したことを問題
2001.07.26  日本自然保護協会 NHK プロジェクトX 白神山地・マタギの森の総力戦に質
        問状送る
2001.11.18  三上希次氏亡くなられる。56歳
2003.07.01  白神山地の青森県側核心地域の入山方式が許可制から届出制に変更、秋田側は従来
通り原則入山禁止

参考
Web東奥日報 http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2001/0723/nto0723_16.html
世界遺産白神山地 http://www.jomon.ne.jp/~misago/projectX.html

参考文献
根深 誠『白神山地をゆくーブナ原生林の四季』 中公文庫
根深 誠『東北の山旅 釣り紀行』       中公文庫
根深 誠『みちのく源流行』          つり人ノベルズ
根深 誠『津軽白神山がたり』         つり人ノベルズ
根深 誠『旅愁の川』             つり人社
根深 誠『白神山地 立ち入り禁止で得をするのは誰だ』 つり人社
根深 誠『白神山地 ブナ原生林は誰のものか』 つり人社
佐藤昌明『新・白神山地ー森は蘇るか』     緑風出版
井上孝夫『白神山地の入山規制を考える』    緑風出版
石川徹也『日本の山を殺すな』         宝島社文庫
by kazetsuki | 2011-08-24 21:26